2000/2/5 at 渋谷LA MAMA
SET LIST
1.VIOLET VIOLENT DOOR
2.HELLRAZOR
3.CHANGELING
4.FLASHBACK
5.AWAKEN MIRROR
6.3D GENERATOR
7.OPEN THE GATES
8.LASCAR BLEU
9.MACHINE MESSIAH
10.SUICIDE LOVER

●● LA-MAMAでの華麗なる一夜 ●●
老舗ライブハウスLA-MAMAでは、初のZEUS MACHINA。 中世ヨーロッパを想起させるノスタルジックなSEが流れる。 ダークなライティングを施されたステージ。 そこに踊り出たのは、前回と同じく「時計仕掛けのオレンジ」風メイクを施したZIN。 妖しげなパントマイムからの序章が始まる。 この日はどのバンドもはじめから迫力があったが、 ZEUSも瞬く間に観客を惹きつけたのではないか。 さて、オープニングは「VIOLET VIOLENT DOOR」。 ヴァイオリンのようなギターの音色がZINの歌声とからみ、 寄せては返す波のように高揚しては消えてゆく。 そしてハードチューン「HELLRAZOR」、新曲「CHANGELING」と続く。 この曲はオリエンタルなサウンドでありながら、 テーマは取り替え子(主にアイルランドに伝わる伝承で妖精が人間の赤ん坊と自分たちの醜い赤ん坊を取り替えていく話)とのこと。 ヨーロッパの逸話を想起させるエキゾティシズム溢れるこの曲は、 ZEUSの新境地と呼ぶに相応しい。中盤での「AWAKEN MIRROR」は、力強いドラムが印象的だった。 「3D GENERATOR」は激しいサウンドでありながらも、低音に被さる流麗なギターにヴォーカルが美しく溶け込んでいた。 「OPEN THE GATES」はリズムパターンの変化が面白い。また打ち込みのセンスの良さが光っていた。 ラスト直前は「MACHINE MESSIAH」。この曲が単なるアップビートの曲に聞こえないのは  テンポの速い中でもメロディを重視し、独自の世界観を創り上げているためなのだろう。 そして全10曲のラストを飾ったのは「SUICIDE LOVER」。この曲のアレンジ/その変貌ぶりには驚く。 初期のデジタルサウンドも良かったが、最近の生音のリアリティは、基本型は同じはずなのに螺旋階段を登りつめ落下するような浮遊感がある。 さしずめ「ボレロ」を想起させる、ライブの締めくくりにはふさわしい曲であった。時間にして約40分。 フロントのZINだけでなくメンバー全員のよどみの無い流れが観客の心の中に眠る何かを揺り動かしたに違いない。 良質の舞踊というのは止まることのない動きが人の目を捉え離さないものだが、 この日は終始、それと同質のクオリティーを感じた。華麗なる一夜であったと言えよう。

(Report by Miyabi)

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